ここでは以下のサンプルプログラムを説明する。これらのプログラムは m17n ライブラリの使い方を説明するものであり、実際の使用を意図したものではない。
m17n-conv [ OPTION ... ] [ INFILE [ OUTFILE ] ]
与えられたファイルのコードを別のものに変換する。
INFILE が省略された場合は、標準入力からとる。OUTFILE が省略された 場合は、標準出力へ書き出す。
以下のオプションが利用できる。
-f FROMCODE
FROMCODE は INFILE のコード系である。(デフォルトは UTF-8)
-t TOCODE
TOCODE は OUTFILE のコード系である。(デフォルトは UTF-8)
-k
エラーで変換を停止しない。
-s
警告を表示しない。
-v
進行状況を表示する。
-l
利用可能なコード系を列挙する。
--version
バージョン番号を表示する。
-h, --help
このメッセージを表示する。
m17n-view [ XT-OPTION ...] [ OPTION ... ] [ FILE ]
FILE をウィンドウに表示する。
FILE が省略された場合は、標準入力からとる。
XT-OPTIONs は Xt の標準の引数である。 (e.g. -fn, -fg).
以下のオプションが利用できる。
-e ENCODING
ENCODING は FILE のコード系である。(デフォルトは UTF-8)
-s FONTSIZE
FONTSIZE はフォントの大きさをポイント単位で示したものである。省略 された場合は、X のリソースで定義されたデフォルトフォントの大きさと なる。
--version
バージョン番号を表示する。
-h, --help
このメッセージを表示する。
m17n-date [ OPTION ... ]
システムの日時をさまざまなロケールでウィンドウに表示する。
以下のオプションが利用できる。
--version
バージョン番号を表示する。
-h, --help
このメッセージを表示する。
m17n-dump [ OPTION ... ] [ FILE ]
テキストを PNG 画像としてダンプする。
PNG 画像は現在のディレクトリに作られた "BASE.png" という名前の ファイルに書き込まれる。ここで BASE はFILE の basename である。 FILE が省略されれば、テキストは標準入力から読まれ、画像は "output.png" にダンプされる。
以下のオプションが利用できる。
-s SIZE
SIZE はフォントの大きさをポイント単位で示したものである。デフォル トの大きさは 12 ポイント。
-d DPI
DPI は解像度を1インチあたりのドット単位で示したものである。デフォ ルトの解像度は 300 dpi。
-p PAPER
PAPER はぺーパサイズ : a4, a4r, a5, a5r, b5, b5r, letter, WxH また は W。 WxH の場合、 W と H は幅と高さをミリメータ単位で示したもの。 W の場合、 W は幅をミリメータ単位で示したもの。このオプションが指定 されている場合は、 PAPER が画像サイズを制限す る。FILE が 1 ページ に納まらないほど大きい場合は、"BASE.01.png", "BASE.02.png" 等の名前 のついた複数のファイルが作られる。
-m MARGIN
MARGIN は水平、垂直マージンをミリメータ単位で示したものである。デ フォルトのマージンは 20 mm。PAPER が指定されていなければ無視される。
-c POS
POS はカーソルの文字位置。デフォルトでは、カーソルは描かれない。
-x
FILE は m17n ライブラリのシリアライズ機能によって作られた XML ファ イルであり、画像を生成する前にデシリアライズされる。
-w
語の境界で改行する。
-f FILTER
FILTER はシェルコマンド行を含む文字列である。このオプションが指定 されていれば、PNG 画像はファイルに書かれるのではなく、FILTER に 標準入力として渡される。 FILTER が "%s" を含んでいれば、それは FILE のベースネームに置き換えられる。このプログラムのデフォルトの振舞い と、FILTER に "cat > %s.png" を指定した場合の振舞は同一である。
もし FILTER が単に "-" であれば、 PNG 画像は stdout に出力される。
-a
アンチエイリアス処理を行う。
--family FAMILY
ファミリィ名が FAMILY のフォントを優先的に使う。
--language LANG
言語 LANG 用に指定されたフォントを優先的に使う。LANG は ISO 630 の 2文字コード(例:英語は "en" )でなければならない。
-fg FOREGROUND
テキストの色を指定する。HTML 4.0 の色の名前および "#RRGGBB" 記法を サポート。
-bg BACKGROUND
背景の色を指定する。サポートされている色の名前は FOREGROUND 同じ。 ただし、もし "transparent" が指定されたら背景を透明にする。
-r
Specify that the orientation of the text is right-to-left.
-q
一切のメッセージを表示しない。
--version
バージョン番号を表示する。
-h, --help
このメッセージを表示する。
m17n-edit [ XT-OPTION ...] [ OPTION ... ] FILE
FILE をウィンドウに表示し、ユーザが編集できるようにする。
XT-OPTIONs は Xt の標準の引数である。 (e.g. -fn, -fg).
以下のオプションが利用できる。
--version
バージョン番号を表示する。
-h, --help
このメッセージを表示する。
このプログラムは m17n GUI API の使い方を示すものである。m17n-edit は直接 GUI API を使っているが、この API は主にツールキットライブラ リやXOM (X Output Method) の実装用であり、アプリケーションプログラ ムからの直接の利用を意図していない。
共有ライブラリ mimx-anthy.so は入力メソッド<ja, anthy> に用いられ る外部モジュールであり、以下の関数を export している。
init
モジュールの初期化。
fini
モジュールの終了。
convert
現在の preedit テキスト (ひらがな列) をかな漢字テキストに変換する。
change
現在のセグメントの候補の変遷を記録する。
resize
現在のセグメントの長さを変更する。
commit
全セグメントの最新の候補をコミットする。
共有ライブラリ mimx-ispell.so は入力メソッド <en, ispell> に用いら れる外部モジュールであり、以下の関数を export している。
init
ライブラリの初期化。
fini
ライブラリの終了。
ispell_word
現在の preedit テキスト (英文) の綴を調べ、間違っていれば候補のリ ストを返す。
このプログラムはm17n 入力メソッド用外部モジュールの書き方を示すた めのものであり、実際の利用を意図したものではない。